安心・安全なシステムを作り上げるためには,プロダクト(すなわちプログラム)はもちろんのこと,ネットワークや開発プロセスを適切に設計・整備することが重要です. 本研究室では,これらの三要素(プログラム,ネットワーク,開発プロセス)を研究対象として扱っています.特に,自然言語処理や機械学習のアルゴリズムをどのように精度向上させるかよりも,それらの技術を用いてどのように実際のシステム開発における問題を解決できるかを主眼においています.ただし,問題解決のアプローチとして,Deep Learningや自然言語処理などの様々な最先端技術を利用します.その分野柄から,学生にとってはソフトウェア開発で必要とされるドメイン知識と同時に最先端技術を学ぶことができる研究分野であると言えます.そのため, ITコンサルタントやシステムエンジニア,ネットワークエンジニア,プログラマーを将来の職として考えている学生にとっては,実用的な学びができます.
① ソフトウェア開発における「センスの良さ」 ソフトウェア開発で重要なプロセス(設計,実装,品質テスト,保守運用)やクラウド等のインフラ技術に対して,より効率良く・効果的な手法を導き出すノウハウとスキルを習得します.大手企業や世界のソフトウェア開発企業が採用するメソッドを学び,最先端の技術センスを身に付けます.
② 最先端トレンド技術の習得 次世代社会を支える最先端技術(AI,ビッグデータ,クラウド,IoTなど)に加え,形式言語理論やオートマトン,プロセス代数,グラフ理論など関連する基礎分野も習得し,実社会で活用できる実践力を鍛えます.
③ 世界へ挑戦するグローバルコミュニケーション能力 国内や海外への積極的な研究活動に挑戦することができ,グローバルな環境で活躍したい人にはピッタリの研究室です.
学生が興味のある研究を尊重する『主体性を重視した指導体制』を構築しています.本研究室へ入学後は,各学生が興味を持つ分野を探求することに,複数の教員が時間をかけて一緒に決定します.ソフトウェア開発,AI・ビッグデータ分析,クラウドの観点から各学生の潜在的な興味と技術的な強みを引き出して,新規性の高い研究計画を計画します.
海外との共同研究も盛んで,アメリカ,カナダ,オランダ,スイス,タイなど,多くの国・地域の大学とコラボレーションしています.また,必要に応じて海外や国内研究機関へ短期インターンシップとして派遣し,自身の研究成果をより良いものにできます.研究成果に関しては積極的な対外発表を推奨し,国内研究会・国際会議・論文誌等での成果発表を積極的に目指します!
当研究室ではあらゆるバックグラウンドを持つ学生を受け入れています.ただし,効率的に研究を進めるためにも,『ソフトウェアの仕組みや開発』に強い興味があることは必須条件であると言えます.
以下の能力は,研究遂行において強みになるといえます.入学前には必須ではありませんが,修士の2年間で身につけてもらいたい知識・能力でもあります.
① プログラミング技術 入学前から高度なソフトウェア開発スキルを持つ必要はありませんが,開発スキルは世界に影響を与える研究を生み出すための強力な武器となります.
② 統計等の基礎的な数学の素養 統計等の基礎的な数学の素養があれば,ビッグデータ分析や人工知能の活用にとても役立ちます.
③ 英語のスピーキング・リーディング・ライティング技術 近年の研究活動もグローバル化が進み,海外機関との共同研究が増加し,英語でのコミュニケーション能力は必須.
卒業生はソフトウェアに関わる企業・大学で活躍しています
MacBook Air (ITC配布)or MacBook Pro (研究室配布)1人1台
クラスタシステム 57台のサーバーが接続された計算クラスタで,合計2800以上のCPUコア,約25TBメモリ,16枚のNVIDIA A100 が搭載されており,様々な科学計算用途が利用可能です. これらは全学での共有システムですが,当研究室には利用ノウハウが蓄積されており,メンバーの多くが使いこなせています.
プライベートクラウドシステム 実効容量90TBの超高速高信頼ネットワークストレージと合計160コアを有するブレードサーバ群を仮想化プラットフォームにより統合したプライベートクラウドシステムです.
スーパーコンピューター検証サーバー スーパーコンピューター富岳にも使われているPRIMEHPC FX700の1シャーシ分(8ノード)で,合計384コアのCPUで構成されています.
個人用計算GPUサーバー 基本的には上記のクラスタシステムにあるGPUノードを利用することが多いですが,デバックなどで必要な場合などにGPUマシンを提供します.2023年3月時点で最新であるNVIDIA RTX 4090 などのGPUを配備したサーバーを保有しています.
データベースサーバー データベース専用に最適化されたサーバーで,2つのXeon Gold 6326と512GBメモリ,約100TBのHDDが搭載されています.クラスタシステム上の数百台のコンテナがそれぞれ計算を行い,それらの結果を格納するために用いられます.
ソフトウェア開発に関する最先端の書籍 毎年,数十冊の最先端書籍を購入しています.本の数はこの写真の推定5倍-10倍近くあります.
デスクとモニタ デスクは横並びではなく風車のような形で配置し,学生が集中できるように配慮されています.また,モニターは1人2台支給され,うち1台以上は4Kモニターが利用可能です.
学生室 2022年にリフォームしたためキレイな状態です.毎日2台のルンバが部屋を掃除しています.
ミーティングルーム
小規模ミーティングルーム
休憩室
談話スペースとエスプレッソマシン
当研究室に配属されるまでに,まずは受験に合格する必要があります.その上で,数学や英語などの受験課題を勉強することは非常に重要です.一方,NAIST公式ページにもあるように,小論文・面接が配点の大部分を占めています. したがって,研究分野において扱われている問題や研究トレンドを理解することが重要です.学部の頃に同じ分野を専攻している場合は容易かもしれませんが,ほとんどの学生はそうではないと思います.そのためにまずは以下から始めることをおすすめします.
当研究室のHPを来ていただいているということは,HPに記載されている研究は目に通されていると思います.しかし,ここに記載されている研究は,ほんの一部です.特に最新の研究は書かれていません(HPには公開できません).まずは2月・5月に開かれるオープンキャンパスやいつでも研究室訪問に参加してみましょう.いつでも研究室訪問では,HPで紹介していない最新研究の紹介や進学後の研究テーマの相談,研究室の教員・学生とカジュアルに話してみたいなど,あらゆるご相談が可能です.例年多くの進学希望者に参加頂いており,一年を通してご応募可能です.オンラインでの実施も可能なので,遠方の方も気軽に参加いただけます.
上記のオープンキャンパスやいつでも研究室訪問は1日の実施で,具体的な研究テーマがイメージしにくいかもしれません.そのような場合は,8月開催のNAISTサマーセミナー(7月頃募集開始),3月開催のスプリングセミナー(2月頃募集開始)に参加してみましょう.上記のセミナーでは,当研究室の教員による研究体験を2日間で実習できます.
例えば,過去には以下のテーマが開催されていました.
その他には,より長い任意の期間で研究体験をすることが可能です.具体的には,いつでも体験入学やインターンシップ(1週間以上はインターンシップを推奨)があります.共に,実際の研究を体験してもらう形で,その中で入学後のテーマも相談が可能です.過去には,インターンシップ後も共に研究を続け,学会発表まで至ることもあります.
インターンシップは交通費も支給されますので,是非応募を検討してください(公式ページには1ヶ月前以上から申込みが必要と書かれていますが,当研究室に直接相談いただければ,実施可能な場合もあります)